三共堤・丸田沢堤の自然
アオダモ Fraxinus lanuginosa (モクセイ科)
白い細かな花を咲かせる木は少なくないが,アオダモの花は幾分他の木とは異なる。花びらが細長いので,遠目には毛足が長いブラシのように見える。
6月には実ができ始めるが,これもあまり目立たない。翼のついた種子で,最初は翼が赤みを帯びている。
翼が黄色,薄い褐色に変わってくると赤味も目立たなくなってしまう。なんとなく,ボサボサと小さな笹の葉を生やしたように見える。
アオダモも年によって花をつける量が異なるようである。赤い実があちこちに見える秋の風景に,アオダモの実もやはり欠かせない。
何やら正体不明のボサボサ頭が出現したが,つぼみであろう。ここからあの白い花を想像するのは難しい。
木のメモ帳・木あそびにアオダモを用いた蛍光の観察が紹介してあった。もとともアオダモは染料として使われたらしい。そこで,比較的心傷まぬ(と勝手に思っているだけだが)葉っぱを一枚拝借し,試したみた。左はただの水道水,右はアオダモの葉を手でちぎって水道水に入れたもの。LEDの紫外線ランプを左から照射。見事きれいな青色の蛍光を確認できた。蛍光は水に浸してすぐに確認できるほどである。自然は本当に面白い。ちなみに,この蛍光物質は結構安定なようで,少なくとも数日間はこの蛍光を維持していた。