三共堤・丸田沢堤の自然
アオキ Aucuba japonica (アオキ科,ガリア科)
名前の通り,一年中緑である。その上,林内のあちこちに生育しているが主役にはなれない。
赤い実も一年中つけているのではないかと思ってしまうほど,アオキのイメージは緑の葉と赤い実がセットである。
実は陽の当たるところが赤くなるらしく,明確に赤と緑が分かれている実をよく見かける。
早ければ3月下旬から花をつけ始めるのが雄花であり,1つ1つは実に地味である。よく見れば,黄色い4つの雄しべが可愛らしい。花をたくさんつけている株は大抵雄株である。
雌株が雌花をつけるのは2週間ほど遅れてからである。雄をじらすのが得意なのは植物も同じか。
それにしても,なぜ開花期がずれるのだろうか。
雄花は花弁も雄しべも4つであるが,これは5つある。植物では,こういった変異はそれほど異常なことではない。集団内の個体数が多ければ当然いろいろな変異が生じるものである。まだ開花していない周囲のつぼみは十字の裂け目が入っている。