三共堤・丸田沢堤の自然
エンレイソウ Trillium smallii (メランチウム科)
周辺を見渡しても,これ1株だけ,森全体でも他ではまだ見ていない。さらに,何か姿が変わるだろうと気をつけて見ていたが,一月以上変化がない。時間が止まったようだ。
延齢草だから,時間が流れるのがゆっくりなのだろうか。不老不死の妙薬になるかも,などということはないのだ。根は有毒である。
6月に入ると他の草に囲まれ,覆われどこに行ったか見つけられなくなった。別世界に行ったのかもしれない。
今年も同じ場所で,やはり1株だけ見つけた。花弁はないようだ。周囲の3枚の三角形はがく片であろう。花粉を出した紫の雄しべと,その花粉をくっつけた雌蕊が中心に見える。
4月も下旬,雄しべは枯れ,雌しべは子房が膨らんできたようだ。葉はほとんど変化がない。がく片はいくぶん色褪せてきたか。
6月も中旬になって,やっとこの大きさである。