三共堤・丸田沢堤の自然
フジ (ノダフジ) Wisteria floribunda (マメ科)
野のフジは,なかなか藤娘の髪飾りのようには咲かないものだ。
春が盛りの山を薄紫に染めるフジは遠くから見るときれいだが,近づいて見ると実に始末に終えない。まわりの木々に絡みつき,時に枯らしてしまうこともあるようだ。絡んでくるものは何でも恐い。
マメらしい花の形である。
この花1つ1つが莢を作るはずなのだが。
コナラに絡むフジである。さて,これは右巻きかそれとも左巻きか。この聞き方が間違いだ。右回りに上がるが,左回りに下りている。ネジで考えた方がいい。このフジは左ネジ(逆ねじ),左巻き,ということでノダフジ,つまりフジである。
花の数ほど莢はできない。他はどうしたのだろう。
つる性の木本で若葉が顔を出し始めた頃,大きな球果状のつぼみがいくつもついている。
このあたりまで成長が進むと葉も羽状複葉なので見当がつく。
庭に藤棚のある家の人なら何も悩まないのだろうが,フジのつぼみであることに気付くのにしばらく時間がかかってしまった。