三共堤・丸田沢堤の自然
サクラの仲間 Prunus sp. (バラ科)
この森には思いの外サクラが多い。コナラ,スギ,アカマツ混交林内に散在していることから,おそらく大半は自生のサクラだと思われる。カスミザクラ,チョウジザクラ,ヤマザクラなどの他,いわゆる「サクラの花」とは異なる花をつけるウワミズザクラ,イヌザクラを含め,少なくとも6,7種類は生育しているのではないだろうか。
しかし,種類を見分けるのはなかなか大変である。サクラは変種も多く,野生での交雑もあるようだ。くわえて個体差も大きい。サクラに関し非常に詳しい方も多いので,不用意なことは書けない。今は宿題とし,わからないものはわからないということしておく。
花より団子,花よりお酒は,勘弁してもらいたい。静かに花を楽しむのが一番である。
まずは豪華なサクラ。この堤の周囲では咲き始めが早い方である。色が濃い。
花1つ1つが実に大きい。
花ではない。花びらが落ちた後の萼である。遠目には真っ赤な小さい花が咲いているように見える。実際,十分に花だと言っても叱られないだろう。
実も大きく,食べられそうである。
こちらはヤマザクラ系か。ソメイヨシノが咲く頃に咲き始める。葉もいっしょに展開している。
葉もいっしょに展開しているが,若葉はいくぶん赤味を帯びている。
これはカスミザクラ系か。ソメイヨシノの盛りが過ぎた頃の花である。やはり,葉の展開がいっしょである。
これもカズミザクラ系だろうか。ソメイヨシノの盛りが過ぎた頃の花である。
全体に白っぽい花であり,お花見シーズンが過ぎてなお,新緑の中に柔らかな白を加えている。
少し離れると,もう花の輪郭が薄れるような,春の空気に溶け込む姿である。