三共堤・丸田沢堤の自然
ヤマボウシ Cornus kousa (ミズキ科)
衣替えとなり,白いシャツの襟が一斉に並んだような,初夏の風景である。実際の襟は真っ白ではなくいくらかクリーム色で,いや生成りと言った方が爽やかさを残せるか,襟先は赤味を帯びている。
よく知られているように,大きな白い花びらのように見える部分は花ではない。では,花は,と中を覗くと緑のぼんぼりがある。これが小さな花の集合である。あまり近くに寄って覗き込まない方がいいのかもしれない。
花の集合体の上で,1つ1つの花の雄しべが伸びている。
白い襟も落ち,花も終わり,残ったのは柄がついたキャンディーみたいな果実である。でも,おいしそうには見えない。
なかなか強烈な色だ。表面のブツブツもキイチゴのような形とは異なり,若干不気味である。