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アクモニスチオン Akmonistion zangerli
アクモニスチオン
古生代石炭紀前期地層から見つかったサメに似た種で、第1背鰭の上端が鉄床状(あるいはアイロン台状)になっているのが特徴である。ステタカントゥス科(Stethacanthidae)でも同様の構造が見られる 1)
属名の「Akmonistion」は、鉄床、帆を表す古代ギリシャ語「akmon」と「istion」により、種名の「zangerli」は、古生物学者Rainer Zangerl(故人)の古魚類学への功績に敬意を示したものである 1)
アクモニスチオン
体長は60cmほどで、特徴的な背鰭ブラシ複合体は、棘部(背鰭部)、基部、ブラシ部から 構成され、背鰭部・基部が鰓裂(5裂)の上部に、ブラシ部が胸鰭上部に位置している 1)
標本では基部・背鰭部がブラシ部と分離しているが、実際はつながっていて1つの構造をつくっている。ブラシ部は繊維状ではなく、石灰化した球状軟骨による中空桿体の集まりで、頂端部は皮歯状の構造が整列しており、頭部背面にも同様の構造が見られる 1)。眼は比較的大きい。
アクモニスチオン
背鰭ブラシ複合体と頭部背面の皮歯の役割は、配偶行動、捕食者への脅し、より大きな海生動物に(コバンザメのように)くっつくため、などいろいろな案が議論されているが、結局のところ不明である 1), 2)
胸鰭にも長い鞭状の構造物が付属しているが、これも配偶行動で使われたものかもしれない。腹鰭には交接器(クラスパー)がついている 1)
アクモニスチオン
特徴的な背鰭は素早い加速には不向きであり、底生の無脊椎動物を捕食したり、腐肉を探して生活していたと思われる(スカベンジャー)。消化管には、節足動物外骨格断片、魚類の鱗などが残っていた 1)
アクモニスチオン
2018年8月 - 9月 制作