ディプロカウルス Diplocaulus sp.
ディプロカウルス
古生代石炭紀からペルム紀にかけて生息していた絶滅両生類の一種で,テキサス,オクラホマ,イリノイなどのペルム紀層から見つかっている。モロッコからも見つかっているが,頭部が左右非対称である。
体長は60〜90cmほどで結構大きい。 頭蓋骨が左右両側に突出し,ブーメラン状の形状をしているの特徴である。オオサンショウウオをさらに平べったくし,頬あたりを横に引っ張って伸ばしたような体,とでも言えばいいだろうか。
ディプロカウルス
淡水の川や沼などに生息し,四肢は貧弱なので陸に上がることはほとんどなかっただろう。
特徴的なこの頭部の意義については,大型捕食者に対する防御,性的ディスプレイ,水中遊泳での揚力(浮力)獲得や体の安定性,などいろいろ提案されているようだ。モデル実験では,実際に水中での揚力を得ることになり,体を安定させる役割があることが確認されている3)
ディプロカウルス
下顎まで左右に突出しているわけではないので,口は頭蓋骨の印象ほど大きくなく,噛む力もそれほど強くないと思われる。先述のモデル実験を行ったCruickshankら(1980)3) は,ディプロカウルス類は川や湖沼の底で生活しており,中層の小魚,両生類幼生,節足動物などを見つけると,素早く上昇してこれら被食者を襲い,また底に戻る際に,この頭部の物理的特性が役立っていたのだろう,と考えている。
現生有尾類も遊泳時は四肢を後ろにたたみ,専ら尾と体をくねらせて泳ぐ。このディプロカウルスも同様であろう。
ディプロカウルス
沼の水が少なくなったり干上がったりすると泥の中に穴を作って耐えていたようだが,ディメトロドン(Dimetrodon)と思われる捕食者に頭部の一部を(致命的なほどに)食べられた幼体の化石も見つかっており2) ,丸呑みにしたら喉に引っかかってしまうといった心配はディメトロドンに無用だったようだ。
ディプロカウルス
カラーリングはアカガエルを,四肢・尾の形態はイモリを参考にした。眼は上を向いているという説明が多いが,完全に「天井」を向いているのも間が抜けているように見えるので,「瞼」を少しだけかぶせ,横も見える配置にした。
これで,カレイかヒラメみたいに底の泥や砂に眼だけを出して隠れることができる。
ディプロカウルス
製作にあたっては,Paleofile.com(net, info)1) ,Pappas(2013)2) ,Cruickshank et al.(1980)3) ,Wikipedia4) ,ウィキペディア5) ,NEW DINOSAURS6) を参照した。
2018.7 - 2018.8 製作