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ディプロカウルス Diplocaulus sp.
ディプロカウルス No.1
ディプロカウルスはペルム紀の両生類で 1), 2), 3)、恐らくは石炭紀後期には出現していただろう 5)。1877年、Copeによって最初にDiplocaulus salamadroides が命名され 3) 、大型の種であるD. magnicornisも1882年にCopeによって記載された 3)。ディプロカウルスは淡水生であり、完全に水生活だったようだ 6)
ディプロカウルス No.2
ディプロカウルスは奇妙は生物である。大きく平らな頭部に側方から後ろに向かって角のような構造が伸びていて、まるでブーメランのような形状に見える。胴体も短く平たく、(体長の半分ほどになるかもしれないほど)長く平らな尾を持っている 5)
中には頭部の幅が30cm以上のものもあり 6)、この場合、体長は1m近くに達するだろう。しかし、多くの標本は、頭蓋骨の幅が数cmから20 cmの範囲にあるようだ 6)
ディプロカウルス No.3
風洞でのモデル実験から、ディプロカウルスはその頭部の独特な物理特性を利用した、活発な小動物の捕食者だったという議論がある 4)
しかし、頭は重すぎ、足は小さすぎるので、陸上を歩くことはできず、底をはい回るか、泳いだとしても上手ではなかっただろう 5), 6)
ディプロカウルス No.5
眼は上方を向いていて、歯は繊細で小さい 5)。したがって、泥の中の環形動物など柔らかい動物を食べていたか、植物食性だったかもしれない 5)。いずれにせよ、活発な動物を捕まえることはできなかっただろう 5)
カレイかヒラメみたいに底の泥や砂に眼だけを出して隠れていたのかもしれない。
ディプロカウルス No.4
ディプロカウルスは捕食者から逃れるために泥の中に穴を掘っていたか、あるいは乾季に身を守るため穴を掘っていた、つまり夏眠生物だったかもしれない 6), 7)。実際、ディメトロドン(恐竜の仲間に見えるが、哺乳類に近い)に齧られた傷を持つディプロカウルス幼体の一群が、泥の穴から見つかっている 7)。ディプロカウルスが捕食者ディメトロドンの食物網で重要な役割を果たしていたのは確かなようだ。
ディプロカウルス
カラーリングはアカガエルを,四肢・尾の形態はイモリを参考にした。上向きの眼のせいで間が抜けているように見える。
2018年7月 - 8月 制作
2020年3月 一部改変
参考文献・サイト :
  1. Bakker RT, Flis CJ, George CD, Cook LA, Bell TH, Zoehfeld KW (2015) Dimetrodon and the earliest apex predators : The Craddock Bone Bed and George Ranch facies show that aquatic prey, not herbivores, were key food sources. Society of Vertebrate Paleontology 75th Annual Meeting Program & Abstracts. (Technical Session III Wed. Oct 14, 2015).
  2. Cope ED (1877) Descriptions of Extinct Vertebrata from the Permian and Triassic Formamations of the United States. Proc. Am. Philos. Soc. 17(100) : pp. 182-193
  3. Cope ED (1882) Third Contribution to the History of the Vertebrata of the Permian Formation of Texas. Proc. Am. Philos. Soc. 20(112) : pp. 447-461
  4. Cruickshank ARI, Skews BW (1980) The functional significance of nectridean tabular horns (Amphibia: Lepospondyli). [abstract] Proc. R. Soc. Lond. B. 209 : 513-537. (DOI: 10.1098/rspb.1980.0110)
  5. Douthitt H (1917) The structure and relations of Diplocaulus. (Contributions from Walker Museum, vol.II, No.1The University of Chicago Press. Chicago.
  6. Olson EC (1951) Diplocaulus - A study in growth and variation - . Chicago Natural History Museum Press. Fieldiana: Geology. v.11(2). Chicago.
  7. Zoehfeld KW, Bakker RT, Flis CJ, Pettersson CB, Bell TH (2013) Burros and break-ins on the Texas Permian delta : Stacked aestivating amphibians and attacks by Dimetrodon. [abstract] The Geological Society of America 125th Anniversary Annual Meeting & expo. Paper No.55.
    (also referred to Pappas S (2013) Finned Monster Chomped Heads Off Ancient Amphibians. Live Sicence Oct. 31, 2013. News )