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ダンクルオステウス Dunkleosteus terrelli
ダンクルオステウス No.1
ダンクルオステウス(Dunkleosteus terrelli)は板皮類(板皮綱)節頸目の絶滅種である。デボン紀後期の海洋捕食者として頂点に立ち、恐らくは当時の北アメリカやユーラシアの海を泳ぎ回っていたと思われる 4)
板皮類の多くの種は、背腹方向につぶれた体型で、あまり発達していない異尾を持っていることから、水底に生息し体をくねらせて泳いでいたと考えられてきた 3)。しかし、ダンクルオステウスは体の断面が卵型をしており、化石産出地の環境などの証拠からも底生はふさわしくない 3)
ダンクルオステウス No.2
体長は従来4.5〜6mと考えられてきたが、生態形態学的なアプローチによるモデルからは最大8.79mと見積もられ、尾鰭も腹側の鰭構造が発達した異尾が考えられており、ダンクルオステウスは泳ぎがかなり上手だったことを示している 4)
ダンクルオステウス No.3
ダンクルオステウスは、前方部が鋭く尖った刃状の顎を持っており、現代の魚類と同じように、餌を捕捉しながら吸い込むことができたようだ 1), 2, 。ダンクルオステウスの噛む力は恐ろしく強く、現生捕食哺乳動物のどれよりも大きかったようだ 1), 2)
ダンクルオステウス No.4
これらの特徴から、ダンクルオステウスは、素早い餌をも捕捉することができ、鱗や皮骨といった防御のための鎧も食い破るような、当時の生態系で、恐らく同じ板皮類の仲間も含め何でも食べてしまう捕食者の頂点に立っていたと考えられる 1), 2)
ダンクルオステウス
デボン紀後期地層からの板皮類の一部の種で、その体内から胚が見つかったという報告があり、板皮類の中には体内受精で胎生だった可能性を示唆している 5)。しかし、ダンクルオステウスが胎生だったという直接的証拠はまだ見つかっていない 3)
2016年12月 制作
2020年3月 一部修正
2022年11月 一部修正