エンテログナトゥス Entelognathus primordialis
属名のEntelognathusは、ギリシャ語の"enteles"(完全)と"gnathos"(顎)合わせたもので、種小名primordialisは原初的という意味のラテン語"primordialis"に由来する 2)。
エンテログナトゥスが見つかったKuanti層は、海生生物の化石を多数含んでおり 1)、エンテログナトゥスも海水魚ということになる。眼や口の位置から、おそらくは海底付近を遊泳しながら小型動物を餌とする肉食性の捕食者だったと思われる。
エンテログナトゥスは、顎口類ステムの上位近く、顎口類クラウン直下の姉妹グループという提案がなされている 1), 2)。エンテログナトゥスの顎が、やがては硬骨魚の顎へと進化していったのであれば、我々を含めた有顎脊椎動物の進化のシナリオを理解する上での大きな手がかりを与えてくるものとなるだろう。
2023年6月 - 2023年12月 制作
参考文献・サイト:
- Choo B, Zhu M, Qu Q, Yu X, Jia L, Zhao W (2017) A new osteichthyan from the late Silurian of Yunnan, China. PLoS ONE 12(3): e0170929. (DOI: 10.1371/journal.pone.0170929.)
- Zhu M, Yu X, Ahlberg PE, Choo B, Lu J, Qiao T, Qu Q, Zhao W, Jia L, Bloom H, Zhu Y (2013) A Silurian placoderm with osteichthyan-like marginal jaw bones. [abstract] Nature 502 : 188 - 193. (DOI: 10.1038/nature12617.) (The full-text was referred to ResearchGate.)