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ケリグマケラ Kerygmachela kierkegaardi
ケリグマケラ #1
ケリグマケラ(Kerygmachela)は、北グリーンランドのシリウス・パセット動物群の生物で、カンブリア紀葉足動物の一種である 1), 4)。シリウス・パセット堆積層は、カンブリア紀初期(約5億1,500万年〜5億1,800万年前)の化石を豊富に含む地層で、カンブリア紀にはローレンシア大陸の北岸、赤道付近、当時の緯度で南緯15度付近にあった。シリウス・パセット層はバージェス頁岩動物層よりも古い 3)
ケリグマケラ #2
ケリグマケラの頭部は丸みを帯びた葉状で、棘状構造のある前方付属肢を1対持っている 2), 4)。原始的な複眼と考えれる鎌状の眼が、前方付属肢の下、腹側外側に位置し、その付属肢の間の腹面に口が開口している 4)
ケリグマケラ #3
ケリグマケラは、鰓をともなう側方にのびた葉状の鰭構造と葉足を11対と、1本の長い棘状の尾を持っている 2), 4)。胴の部分だけで約7cm、尾も胴と同じくらい長く、前方付属肢も含め、全長約20cmぐらいだろう(参考文献4の図1上で計測)。
ケリグマケラ #4
側方の葉状構造で遊泳生活をしていたと推測される。前方付属肢は少し内側に曲がっているので、ケリグマケラは、それをピンセットのように使って餌を捕まえていたのかもしれない、さらには、堆積物をかきまぜて底生の小動物や有機物をすくい取っていたのかもしれない。
ケリグマケラ
学名 K. kierkegaardi の種小名 "kierkegaardi" は、デンマークの実存主義哲学者 Kierkegaard にちなんだものと思われる。
2020年5月 一部修正
2018年1月 - 5月 製作
参考文献・サイト:
  1. Budd G (1993) A Cambrian gilled lobopod from Greenland. [abstract] Nature 364: 709-711. (DOI:10.1038/364709a0.)
  2. Budd GE (1998) The morphology and phylogenetic significance of Kerygmachela kierkegaardi Budd (Buen Formation, Lower Cambrian, N Greenland). [abstract] Earth.Env.sci.T.R.So. 89(4): 249–290. (DOI:10.1017/S0263593300002418.)
  3. Harper DAT, Hammarlund EU, Topper TP, Nielsen AT, Rasmussen JA, Park TYS, Smith MP (2019) The Sirius Passet Lagerstätte of North Greenland: a remote window on the Cambrian Explosion. J. Geol. Soc. 176:1023-1037. (DOI: 10.1144/jgs2019-043.)
  4. Park TYS, Kihm JH, Woo J, Park C, Lee WY, Smith MP, Harper DAT, Young F, Nielsen AT, V J (2018) Brain and eyes of Kerygmachela reveal protocerebral ancestry of the panarthropod head. (Supplementary Information.) Nat. Commun. 9(1019). (DOI:10.1038/s41467-018-03464-w.)