オドントグリフス Odontogriphus omalus
オドントグリフスはナメクジ様の形態で、長円形(角が丸い長方形)状で、つまりは平べったい。体長125mm、幅は43mm程度である。前方部と後方部はほぼ同じ形状である。背側には殻や棘といった構造はない 1), 2)。
頭部腹側には、楔形に並んだ2,3列の歯のある歯舌(軟体動物の口器)状の構造があり、その後方から体の後端部まで大きく幅の広い足がある。頭部側をのぞく足の周囲には鰓がついている 1), 2)。
歯舌の形状や腹側の足の形態から、オドントグリフスは、シアノバクテリアのシートのような岩の上の微生物集団によるシート上を這い回っていたのだろう。両者は同じ堆積層で一緒に見つかることが多い。オドントグリフスはこのようなバイオフィルムや海底の堆積物・泥などを食料としていたのだろう 1), 2), 3)。
参考文献・サイト:
- Caron JB, Scheltema A, Schander C, Rudkin D (2006) A soft-bodied mollusc with radula from the Middle Cambrian Burgess Shale. [abstract & supplementary information] Nature 442: 159-163. (DOI:10.1038/nature04894.).
- Odontogriphus omalus - The burgess Shale (Royal Ontario Museum)
- Smith MR (2012) Mouthparts of the Burgess Shale fossils Odontogriphus and Wiwaxia: implications for the ancestral molluscan radula. Proc. R. Soc. B. 279:4287–4295.(DOI:10.1098/rspb.2012.1577.)
2020年5月 再制作