オドントグリフス Odontogriphus omalus
カンブリア紀中期の海水生軟体動物で,体長は最大で125mm程度。扁平な長方形に近い体で両端は半円状。腹側には1つの大きな足(腹足状)とその周囲に鰓のような構造が見られる。ただし,鰓は全体としてU字状に配列しており,頭部側にはない。口の頭部側には2列の歯舌がある。背側は殻のような構造で,腹側は殻で覆われることはないようだ。口や歯舌の存在から,海底の岩や泥の上のシアノバクテリアで覆われた部分を,こそげとって食べるような生活をしていたのではないかと思われている。
以上,ロイヤルオンタリオ博物館1) の「バージェス頁岩(The Burgess Shale)」2) を参考にした。
オドントグリフス No.1
オドントグリフス No.2
Wikipedia3) には,Caron et al.(2006)4) をもとに,化石標本の大きさが異なっていても体長と体幅の比がほぼ同じであることから,背側は殻のような構造で化石として残る程度(爪の程度)の硬さだったのではないかと,ある。残念ながら,この論文は要約しか読むことができなかったので,詳細を確認できなかった。
全体として,現生生物のヒザラガイ5) に似た構造ではないかと思われる。
オドントグリフス No.3
以上のことから,体を上下にクネクネさせて泳ぐような,あるいは一反もめんのような,姿ではないかということになる。もっとも,Caron et al.の復元図の中には,体を反らしたもの(Figure 2)4) が含まれているが。
この左図は,前述のCaron et al.(2006)の図1,補足資料の図14) をもとに作成したものである。
体の中心部は実はきちんと中空に作ってある。内臓(唾液腺,生殖腺)は大きな足の組織から透けて見えるように作成したもので,足の表面に黄色や紫のフェルトを刺し込んだものではない。
外套溝(背側の殻と足の間)にある鰓は大変だった。ほとんど体一周分,小さな鰓の「部品」を並べて作ったものである。ただ平べったいだけではない。
オドントグリフス 展開図
2015.3 製作
追記:口を足の中に作ってしまったようだ。実際は足の前方に作らなければならない。そのうち,作り直すことにしよう。