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ケファラスピス Cephalaspis lyelli
ケファラスピス No.1
ケファラスピス(Cephalaspis)はデボン紀初期の無顎魚類であり、シルル紀からデボン紀のヨーロッパやカナダ東部に生息しデボン紀の終わりには絶滅したケファラスピス科(family Cephalaspidae)を代表する属である 2), 3)
ケファラスピス No.2
ケファラスピスは、三角形の頭部甲皮、後に伸びた角状突起が特徴で、体長約25cmほどである 3)
眼は甲皮背面中央に互いに接近して配置されており、その後方と甲皮側方には少し凹んだ領域がある。これらは電気器官と考えられている 2), 3)。一種の感覚器官と思われる。頭部甲皮の腹面には口や鰓の開口部がある 2)
ケファラスピス No.3
明確な前方背鰭はないが、頭部甲皮の背側突起から伸びる隆起が胴体背側に見られ、後方部背鰭はかなり後方にある 3)。鰭は背腹非対称で背側が大きく発達したものである 3)(サメのような形状)。胸鰭は大きく発達し、パドル状である 3)。腹ビレ、尻ビレはない 3)
ケファラスピス No.4
ケファラスピスは、潟、河口域やデルタ地帯などの、淡水域・汽水域に生息していたようだ 1)
口が腹面に開口し、平べったい体型から、水底面を這い回り、水底の有機堆積物やそこに生息する小動物を捕食していたのだろう 1), 2)。眼は防御用であろう。実際、大型の棘魚の体内から小型のケファラスピス頭部が消化途上の状態で見つかっている 1)
ケファラスピス
ケファラスピス属のタイプ種ケファラスピス・リエルリ(Cephalaspis lyelli 3)は、「地質学原理」で知られるサー・チャールズ・ライエルに因んで付けられたものであろう。
2017年3月 制作
2022年9月 一部修正
参考文献・サイト:
  1. Denison RH (1956) A review of the habitat of the earliest vertebrates. In Fieldiana: Geology; Vol.11 No.8. Chicago Natural History Museum. Chicago.
  2. Stensiö EA (1927) The Downtonian and Devonian Vertebrates of Spitsbergen. Part 1 Family Cephalaspidae. Skrifter om Svalbard og Nordishavet. Resultater av de norske statsunderstøttede Spitsbergenekspeditioner XII. Norske Vidensk.-Akad. Oslo.
  3. Stensiö EA (1932) The cephalaspids of Great Britain. British Museum (Natural History). London