デボン紀に出現した肉鰭類の肺魚は、古生代後期には多様化していったが、現在残っているのは3つの属、６種だけである ³⁾。多くのデボン紀化石で知られているカナダ・ミグアシャ（Miguasha） ³⁾のデボン紀後期エスキュミナック層（Escuminac Formation）からは、Fleurantia denticulataとScaumenacia curtaの２種だけが知られている ^{1), 2), 3)}。

デボン紀の肺魚らしく、スカウメナキア同様に、２つの背鰭、尾鰭、尻鰭がそれぞれ明確に区別できる構造を持っているが、デボン紀以降の肺魚は、現生種のようにこれらの鰭が一体化している ^{1), 2)}。

スカウメナキアの第1背鰭は背が低いが、フレウランティアの第1背鰭は幅は狭いものの第2背鰭と同じくらい長い ¹⁾。尾鰭は、背腹非対称の縮小した異尾であるが、体全体との比率はスカウメナキア以上に不釣り合いに見える。

生態は不明であるが、おそらくスカウメナキアと同じように、小型の無脊椎動物を餌としていたのだろう。やはり穴の痕跡化石は見つかっていないので、穴を掘るようなことはなかったと思われる ^{1), 2)}。