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スカウメナキア Scaumenacia curta
(スカウメナシア)
スカウメナキア #01
デボン紀に出現した肉鰭類の肺魚は、古生代後期には多様化していったが、現在残っているのは3つの属、6種だけである 3)。多くのデボン紀化石で知られているカナダ・ミグアシャ(Miguasha) 3)デボン紀後期エスキュミナック層(Escuminac Formation)からは、Scaumenacia curtaFleurantia denticulataの2種だけが知られている 1), 2), 3)
スカウメナキア #02
スカウメナキアは、恐らくデボン紀の肺魚の中で最も知られている種であろう 3)。体長は大きいもので65 cmに達する 3)。肉鰭類らしい厚みのある、しかも長い対鰭の胸鰭と腹鰭を持ち、デボン紀以降の肺魚と異なり、2つの背鰭、尾鰭、尻鰭はきちんと区別の状態である 1), 2)。尾鰭は、背腹非対称の縮小した異尾であるが 1)、体全体との比率は著しく不釣り合いに見える。
スカウメナキア #03
現生肺魚は淡水生であり、スカウメナキアも淡水生とも考えれたが、エスキュミナック層は海洋境界環境であり 2)、汽水域に生息し、時に淡水と海水を行き来していたと思われる。体は大きいが、他の魚類などを捕まえるいわゆる捕食者ではなく、小さな貝エビ類を多量に摂食していたようである 2), 3)
スカウメナキア #04
肺魚というと乾季には穴を掘って夏眠することが考えられるが、エスキュミナック層ではそのような穴は見つかっておらず、空気を吸い込むことはできただろうが、おそらくスカウメナキアは穴を掘ることはなかったと思われる 2), 3)。底生で、泥といっしょに舞い上がった小型の無脊椎動物を食べていたのだろう。
スカウメナキア
2022年7月 - 2023年2月 制作
参考文献・サイト:
  1. Arratia G, Schultze HP, Casciotta J (2001) Vertebral column and associated elements in dipnoans and comparison with other fishes: Development and homology. [abstract] J. Morphol. 250(2): 101-172. (DOI: 10.1002/jmor.1062) (The full-text was reffered to ResearchGate.)
  2. Cloutier R (1996) Dipnoi (Akinetia: Sarcopterygii). In: Schultze HP, Cloutier R editors. Devonian fishes and plants of Miguasha, Québec, Canada. München: Verlag Dr. Pfeil. p.198 –226. (The full-text was reffered to ResearchGate.)
  3. Dipnoi, Scaumenacia, Asmusia (From water to land - Miguasha National Park -).