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ハルキゲニア Hallucigenia sparsa
ハルキゲニア No.1
ルキゲニア(Hallucigenia sparsa)は、バージェス頁岩(Burgess Shale)で発見されたカンブリア紀中期の動物で、全体として細いチューブ状の体をしている 1), 2), 3)。 いくらか丸みを帯びた頭部と長い胴体部の間には、細い頸部がある 2), 3)。体長は3 cmほどである 2)
ハルキゲニア No.2
頭部先端に口が開口し、背側には1対の眼(複眼ではなく単純な眼らしい) 3)。頸部には3対の付属肢があり、他の付属肢と同程度の長さではあるが細い 3)
胴体部には7対の付属肢があり、それぞれの先には爪状の構造が見られる 2), 3)。最後部の付属肢対は胴体の終端から斜め後方に伸びる 2), 3)。背側の棘は、3番目の頸部付属肢から9番目の付属肢との背側同位置に見られる 2), 3)
ハルキゲニア No.3
ハルキゲニアは、海底表層や海綿などの表面で生活しながら海綿(例えば、ヴォークシア)などを摂食していたか、動物の死骸などを食べる腐食性動物だったと思われる 2)
ハルキゲニア No.4
ハルキゲニアは、現生有爪動物(Onychophoran)のステムグループと考えられているが、その系統学上の正確な位置はまだ確定していない 2), 3)
属名の"Hallucigenia"は、その不思議な形態からラテン語の"hallucinatio"(wandering in the mind」(幻覚)に由来し、種小名の"sparsa"は、試料が少ないことから、「希な」という意味のラテン語"sparsus"に基づく 2)
ハルキゲニア
ハルキゲニアは、バージェス頁岩から多くのカンブリア紀化石動物を発見したことで知られるWalcottによって、1911年に初めて、環形動物多毛類として記載された 1), 2)。その後、Conway Morrisによって再記載されたが、類縁関係は不明のままであり、さらには解剖学的解釈も後に背腹・頭尾それぞれ逆であったことがわかった 2)
2014年12月 制作
2023年3月 - 6月 再制作
参考文献・サイト:
  1. Conway Morris S (1977) A new metazoan from the Cambrian Burgess Shale of British Columbia. Palaeontology 20(3):623–640
  2. Hallucigenia sparsa - The burgess Shale (Royal Ontario Museum).
  3. Smith M, Caron J (2015) Hallucigenia's head and the pharyngeal armature of early ecdysozoans. [abstract] Nature 523, 75–78. (DOI:10.1038/nature14573). (The full-text was referred to CORE.)